漫画家、草野誼の新作や再掲載、電子書籍のお知らせ。
目標月イチ更新!
2014
ちょっと前の話で恐縮ですが。
NHKBSでペリリュー狂気の戦場というドキュメンタリーを
放送していました。
不勉強にもペリリュー島という日米軍激戦の島がどこにあるのか
知らなかったのですが、後になって思わず膝を打ちました。
パラオ諸島のペリリュー!!
パラオだとタイトルに謳ってくれれば、もっと分かり易かったのに。
なぜなら、このパラオという国名を聞いただけで、ある感慨が浮かぶ人、
胸を熱くする人、思わず涙腺がゆるむひとが多数いると思うのです。
詳しくはここでは書きません。こんなゴミのようなブログで
書くのはもったいない話なので。
お知りになりたい方はぜひ、パラオ、国旗、ねずきち、などで
検索して見てください。
さてそのドキュメンタリーの内容なのですが、長い間封印されていた
米軍の撮影したカラーフィルムを始めて公開するという
貴重なものであり、内容も真摯なものでした。
ただ一つだけ違和感を覚えたのが、この番組の通奏低音のように
繰り返される〜戦争の狂気が〜というフレーズでした。
ペリリューの日本軍の戦闘は、大東亜戦争中初めて大本営が
万歳特攻をゆるさず、弾薬尽き、傷病兵だけになっても生き続け、
戦い続けなければならない過酷なものでした。
私が、あれれ?と思ったのは、
日本のマスメディアにおいて、今まで散々戦争の狂気の
象徴のように言われていた万歳特攻を狂気と言わず
生かし続けて戦わせることを、直接は言いませんが文脈上は
狂気としていることでした。
凄惨きわまりない戦闘行為を「狂気」と呼ぶレトリックは
安物の詩人にならゆるされるでしょう。
でもその修辞は正しく事実を伝えるべき
ドキュメンタリーには適しません。
なぜなら、
狂気という言葉によって、過酷な状況下で生きていた人の生命を
実感として捉えることを阻害するからです。
鎮魂 硫黄島というドキュメンタリーのなかにこんな
証言がありました。
硫黄島にアメリカの機動艦隊が目前に迫り、いよいよ決戦(というよりも
日本本土への空襲を一日でも遅らせるための死の戦い)間際という時
アメーバ赤痢で半死半生な状態で塹壕堀に駆り出されてた病兵の一言。
「ああ、これでやっと楽になれる」
私は、こんなにも実感の伴う言葉を聞いたことがありません。
歴史の中で、見たくないもの、聞きたくないものを
すべて「狂気」で片付けしまうことは
その場しのぎの精神の無菌状態であり、
危険な思考停止だと思えてなりません。
ともあれ、意義深い番組でした。
この戦争で亡くなられた日米双方の将兵の皆様に
深い尊敬と哀悼の意を捧げさせていただきます。
NHKBSでペリリュー狂気の戦場というドキュメンタリーを
放送していました。
不勉強にもペリリュー島という日米軍激戦の島がどこにあるのか
知らなかったのですが、後になって思わず膝を打ちました。
パラオ諸島のペリリュー!!
パラオだとタイトルに謳ってくれれば、もっと分かり易かったのに。
なぜなら、このパラオという国名を聞いただけで、ある感慨が浮かぶ人、
胸を熱くする人、思わず涙腺がゆるむひとが多数いると思うのです。
詳しくはここでは書きません。こんなゴミのようなブログで
書くのはもったいない話なので。
お知りになりたい方はぜひ、パラオ、国旗、ねずきち、などで
検索して見てください。
さてそのドキュメンタリーの内容なのですが、長い間封印されていた
米軍の撮影したカラーフィルムを始めて公開するという
貴重なものであり、内容も真摯なものでした。
ただ一つだけ違和感を覚えたのが、この番組の通奏低音のように
繰り返される〜戦争の狂気が〜というフレーズでした。
ペリリューの日本軍の戦闘は、大東亜戦争中初めて大本営が
万歳特攻をゆるさず、弾薬尽き、傷病兵だけになっても生き続け、
戦い続けなければならない過酷なものでした。
私が、あれれ?と思ったのは、
日本のマスメディアにおいて、今まで散々戦争の狂気の
象徴のように言われていた万歳特攻を狂気と言わず
生かし続けて戦わせることを、直接は言いませんが文脈上は
狂気としていることでした。
凄惨きわまりない戦闘行為を「狂気」と呼ぶレトリックは
安物の詩人にならゆるされるでしょう。
でもその修辞は正しく事実を伝えるべき
ドキュメンタリーには適しません。
なぜなら、
狂気という言葉によって、過酷な状況下で生きていた人の生命を
実感として捉えることを阻害するからです。
鎮魂 硫黄島というドキュメンタリーのなかにこんな
証言がありました。
硫黄島にアメリカの機動艦隊が目前に迫り、いよいよ決戦(というよりも
日本本土への空襲を一日でも遅らせるための死の戦い)間際という時
アメーバ赤痢で半死半生な状態で塹壕堀に駆り出されてた病兵の一言。
「ああ、これでやっと楽になれる」
私は、こんなにも実感の伴う言葉を聞いたことがありません。
歴史の中で、見たくないもの、聞きたくないものを
すべて「狂気」で片付けしまうことは
その場しのぎの精神の無菌状態であり、
危険な思考停止だと思えてなりません。
ともあれ、意義深い番組でした。
この戦争で亡くなられた日米双方の将兵の皆様に
深い尊敬と哀悼の意を捧げさせていただきます。
PR
Post your Comment
プロフィール
HN:
くさよっしー
性別:
非公開
最新記事
(01/28)
(07/18)
(04/15)
(04/01)
(05/11)
P R